塗装ブース清掃 & 新設工事

塗装ブースの各種清掃・メンテナンス & 水幕板(スクリーン)等の新設・改修工事

 各種塗装ブース(水洗・乾式・オイル)、乾燥炉、給排気ダクト・ファン・ピットの清掃、ビニール養生交換、前処理設備の化成配管・ライザー管清掃等を行います。

 その他、 フィルター交換の他、水幕板(スクリーン)やエリミネーター等の塗装設備や給排気ダクトの新設、更新、改修、修繕工事等も行います。

図解で説明 塗装ブース各部の清掃部位と清掃をする目的&メリット

 下記は、「水洗式」・「乾式」・「オイル」と各種ある塗装ブースの中でも、水洗式を例にした塗装ブースの簡易解説図となります。

 各部が、重要な役割を持ち、塗装品質と塗装不良を防ぐために、重要な役割を持っています。

 清掃をする意味と目的&メリットを知り、最適なサイクルで清掃を行うことが重要です。

 

〇ブース清掃をする目的とメリット

 

① 塗装品質を一定に保つ

ブース内に余分な塗料ミストが充満しすぎると、塗装対象物に再付着してしまい、塗装品質が下がってしまいます。

 

② 排気不良の防止

排気塔内や、エリミネーター、ベンチュリー部へ、塗料カスが堆積することにより、排気効率が悪化するため、排気風速が不足してしまい、製品や壁面、等に塗料ミストが付着してしまいます。

 

③ 屋外への塗料放出を最小限にする

エリミネータによって、十分に塗料カスが除去できないと、排気ダクトを通じて塗料を屋外へ放出する原因となる。大気中への有害物質の拡散放出を、最大限減らす必要があります。

 

④ 排気ファンの排気性能を保つ

エリミネータによって、塗料カスが十分に除去できないと、排気ファンに多量の塗料カスが付着します。その結果、効率の悪化を招き、モーターの過負荷、電気代増の原因になります。

また、塗料カスがファンに付着することにより回転バランスが狂うと、振動が発生し、ブース全体にダメージを及ぼします。

 

⑤ 排気塔内、及び、エリミネーターの塗料カス除去性能を保つ

エリミネータに付着した塗料カスを除去せず放置すると、塗料カスの重みで変形したり、エリミネーターの設置角度が変わってしまいます。

その結果、塗料カスを十分に除去できなくなってしまいます。

また、老朽化による 錆等の影響で破損してしまうと、再度作成するのに、費用がかかります。

 

⑥ ダクトの排気性能と火災を防ぐ

エリミネータでは、塗料カスを完全に除去することはできず、ダクトには少しずつ塗料カスが蓄積していきます。

ダクトに付着した塗料カスは、排気効率や省エネの妨げになるばかりでなく、発火の危険があるため、塗装ブースおよび設備・工場全体に、ダクトを通じて延焼火災を引き起こす原因になります。

効率改善や、省エネ、環境への配慮だけでなく、なにより大切な設備を火災から守るためにも、定期的に清掃を行う、ブースメンテナンスが必要となります。

 

 このように、「製品の品質を保つため」と、「塗装設備の性能を保つため」に、ブースの定期清掃・定期メンテナンスが必要となります。

 設備部位ごとの、清掃前後写真をご参照下さい。

 


〇塗装ブース 「排気ファン」清掃

 排気ファンには、吸い込んだ塗料カスが大量に付着します。

 この塗料カス付着による重量増が、モーター過負荷による電気代の増に影響します。

 そのため、定期的な清掃が必要です。また、塗装ブースより、振動や異音を感じることがあります。

 原因は色々ありますが、 そのほとんどは回転バランス悪化によるものです。

 振動や異音を放置すると、ケーシング損傷やモーター負荷など、ブース全体にダメージを及ぼすので、早急な対策が必要です。

 排気ファン清掃に際しては、ただ単に塗料カスを除去するだけではいけません。清掃後の回転バランスを維持するための、「バランス取り作業」を考慮して清掃することが特に重要なのです。

清掃前

清掃後



〇塗装ブース「ケーシング」清掃

 汚れが溜まると、工場設備外へ、塗料カスを排出することになり、環境問題を引き起こします。

 また、静電気や高温による発火現象が起こると、油分を含む塗料カスが一気に延焼する危険があります。

清掃前

清掃後



〇塗装ブース 「ダクト」清掃

 汚れが溜まると、工場設備外へ、塗料カスを排出することになり、環境問題を引き起こします。

 また、静電気や高温による発火現象が起こると、油分を含む塗料カスが一気に延焼する危険があります。

 特にご要望があれば、「点検口」の新規取り付けも可能です。

清掃前

清掃後



 〇塗装ブース「排気塔内」清掃

 ツララのように垂れ下がった塗料カスが、ブース内の排気風速を遅くし、塗料ミストが吸い込まれなくなる結果、ワークにミストが再付着して、塗装品質の悪化を引き起こします。

 また、塗料カスを定期的に除去していないブースでは、エリミネーターが重みで垂れ下がり、破損しているケースも見られ、早急な修理が必要です。清掃後はグリスを塗布し、次回清掃の際の塗料除去がしやすくします。

清掃前

清掃後



〇塗装ブース 「エリミネータ」清掃

 排気効率が悪化するため、ブース内の余剰ミストを排出できず、塗装品質に悪影響を及ぼします。清掃後はグリスを塗布し、次回清掃の際の塗料除去がしやすくします。

清掃前

清掃後



〇塗装ブース 「ベンチュリ―部」清掃

 ノコギリ板のようなベンチュリー部は、排気流速を高めて(ベンチュリー効果)、塗料カスと水を混ぜ合わせながら、一緒に吸い込んでカスを除去する重要な部分です。

 そのため、塗料カスが溜まって、出口をふさいでしまうと 排気効率が悪化するため、ブース内の余剰ミストを排出できず、塗装品質に悪影響を及ぼしてしまいます。清掃後はグリスを塗布し、次回清掃の際の塗料除去がしやすくします。

清掃前

清掃後



〇塗装ブース 「水槽」清掃

 ブース⇒ピットの水循環に悪影響を及ぼします。水に塗料カスが混入し、水幕板(スクリーン)の汚れを引き起こします。

清掃前

清掃後



〇塗装ブース 「水幕板(スクリーン・ウォーターカーテン)」清掃 ※水洗ブースの場合

 スクリーンは各種塗装ブース(水洗・乾式・オイル)によって形状が異なり、タイプに応じた清掃を行います。紹介した画像は水洗式スクリーンの清掃例です。

 次第に水幕板(スクリーン)の汚れを引き起こし、水で余剰ミストを落として除去できなくなるため、定期的な清掃が必要です。

清掃前

清掃後



〇塗装ブース 「ブース内(壁面)」清掃

 塗料ミストの付着によっておこります。製品にホコリや汚れを付けてしまい、塗装品質を落とす原因となります。清掃後はグリスを塗布し、次回清掃の際の塗料除去がしやすくします。

清掃前

清掃後



〇「循環水槽(ピット)・ストレーナー」清掃

 ブース内を循環させる水に含まれる塗料カスを堆積させ除去します。定期的な清掃が必要です。

清掃前

清掃後


清掃前

清掃後



〇前処理設備 「ライザー管」「ヘッダー管」「ノズル」清掃

 定期的な清掃が必要です。目の詰まりやすい小さなノズルの場合は、定期的に新品に交換する方が一般的です。

穴が大きいノズルの場合は、ライザー管清掃の際、一緒に清掃し、目詰まりを直してから再度取り付けます。

清掃前

清掃後


清掃前

清掃後



〇電着設備 「化成配管」清掃

 コレステロールのように、配管内に堆積し、閉塞してしまうため、定期的な清掃が必要です。

清掃前

清掃後



〇乾燥炉 「乾燥炉内」清掃

 乾燥炉内には、長年の使用によりホコリなどが、壁面、排気ダクト内、レール等にたまります。

製品にこれらのホコリが付着すると、製品の品質に悪影響を及ぼします。また、ホコリ等の微細粒子が静電気等で発火すると、一気に延焼する危険があります。

 製品品質向上だけでなく、塗装ブースの火災を防ぐためにも、 汚れがたまらない様に、定期的な清掃が必要です。

清掃前

清掃後



〇乾燥炉 「放熱管内のスス取り」清掃

 ススが溜まると、バーナーの汚れを進め、燃焼効率の悪化につながります。

静電気や高温による発火現象が起こると、油分を含む重油のススが一気に延焼する危険があります。 また、ススは微細粒子のため、粉塵爆発の危険があります。事故が起こらない様に、定期的な清掃が必要です。

清掃前

清掃後



〇乾燥炉 「ヤニ取り」清掃

 塗装ブースでは、乾燥炉を設け、塗料の乾燥を早めます。この時、塗料の成分である合成樹脂等から「ヤニ」が発生し、乾燥炉の天井面や、壁面、フィルター室などにたまります。

 このヤニは、静電気や高温によって発火しやすく、火がつくと、ダクトを通じ工場全体に、一気に延焼する危険があります。火災事故が起こらない様に、定期的な清掃が必要です。

清掃前

清掃後



〇各種 フィルター交換

 塗装ブース各所には、さまざまな種類のフィルターが使用されています。

このフィルターは消耗品です。

 清掃毎に交換することで、屋外への有害な塗料ミスト排出を抑えるほか、エリミネーター等排気塔内の汚れを防止し、ブース全体の寿命を延ばすことができます。

交換前

交換後



〇設備改造・補修 「塗装ブース・厨房 排気ダクト内 排水マス・ドレンの設置」「破損部補修」

 塗装ブースや、厨房(各種ボイル機類)のダクト内には、ベンチュリー部から吸い込んで溜まった水や、蒸気が溜まり、池のようになっています。

 この水は、 ダクトを腐食し、水漏れの原因となります。

 これを防ぐため、ダクトに、排水マスとドレンを取り付け、排出した水は、水洗ブースの水槽にリターンさせる改造を行いました。これにより、水がたまり始めても、常に水を排出できるため、ダクトの寿命を延ばし、水漏れを軽減することができました。

改造後

改造後


 塗装ブースでは水を使用するため、腐食による破損箇所がでてきます。

清掃毎に各部をチェックし、こまめに補修工事をすることで、ブース全体の寿命を延ばすことができます。
 下記画像は、架台の脚が腐食で破損し、荷重を支えられず、危険な状態であった部分の補修画像です。

補修前

補修後



〇水幕板(スクリーン・ウォーターカーテン)改修工事・ブース新設工事

 水幕板は、長年の使用と、水による腐食等の影響から、次第に変形が始まり、正常な水の幕が作られなくなります。

 これは、排気塔側から水幕板を支える支持具や、水幕板を補強するフレームがスチール製の場合、腐食により脱落し、スクリーンの自重を支えきれなくなった結果、ゆがむケースが考えられます。

 下記に紹介する工事前の水幕板も、全体が変形し、正常な水幕が作られなくなった結果、塗料が全面に付着しています。

 塗料ミストの付着が著しくなると、塗装品質への悪影響も生まれるため、大規模な改修工事が必要となります。

 弊社では、お客様のご要望にあわせ、専用設計いたします。また、ベンチュリー板(ノコギリ板)と水幕板や水面の距離のセッティングを行ない、ベンチュリー部で水と空気を攪拌させ、塗料ミストが出来るだけ除去できるように、調整します。

補修前

ブース壁面と水幕版裏を固定するアングルが錆びて欠落してしまい、水幕版の重量に耐えられず、水幕板がゆがんでいる状態でした。

補修後

オールステンレスの水幕版に全面改修しました。

水平方向、垂直方向ともに、セッティングが見直され、安定したウォータースクリーンができるようになりました。



〇塗装ブース健康診断

「モーターベアリング磨耗度」、 「排気風速の計測」 、「電流・絶縁抵抗測定」、その他

聴診器によるモーター軸受け(ベアリング)のコンディションチェック。聴いて頂くと、ベアリングの状態がよくわかります。

排気風速の計測による、塗装ブース全体の、コンディションチェック。


制御盤のチェック
(電流計)(絶縁抵抗測定)

青い被覆の電線に、端子焼けを発見!ネジのゆるみによって発生した火花と熱で、被覆が溶け、端子が焦げています。


作業前・後の報告写真や、清掃中発見した破損部等の問題点を指摘します(有償・希望により)。



実施可能な作業一覧

 

① 水洗・オイル塗装ブース(塗装ブース内、排気塔内、排気ダクト内)

・水幕板(スクリーン)塗料剥離作業

・ブース内塗料除去及ぴ各部グリス塗布作業

・エリミネーター及び取り付け部塗料除去作業

・排気ファン・ケーシング内の塗料除去作業及ぴバランス調整

・排気ダクト開口作業、及び塗料除去作業

・防火ダンパー脱着塗料除去作業

・ブース内フィルター交換

・吸気用フィルター交換

・.配菅内清掃及ぴ高圧洗浄作業

・グレーチング塗料除去作業

・循環水槽(ピット)内清掃

・排気ファンモーター ベアリングコンディションチェック

 

② 前処理設備清掃(脱脂槽・化成槽)

・槽内清掃

・熱交換器高圧洗浄

・脱脂ブース内及ぴノズル清掃

・化成配管及ぴライザー管内高圧洗浄

 

③ 電着ライン ・槽内洗浄

・熱交換器高圧洗浄

・本管及びライザー管内高圧洗浄

・水洗槽清掃

・表面調整槽清掃

・化成槽

・槽内清掃

・セットリングタンク清掃

・電着槽

・置換タンク清掃

・純水槽清掃

 

④ 乾燥炉(炉内・出入口・コンベア・脱臭機)

・炉内塗料除去作業

・炉内ダクト内清掃作業

・炉内放熱管内のスス取り作業

・エアーカーテン、フイルター交換

・ダクト内清掃

・.コンベアー清掃

・天井、壁、コンペアー・脱臭機等のヤニ取り作業

 

⑤ その他

・水幕板(スクリーン)やエリミネーター、ベンチュリー板の新設、新規作成・改修工事。

・塗装設備や給排気ダクトの新設、更新、改修、修繕工事等

・産業廃棄物の処理

・ブースコンディションチェック(ブースや設備の健康診断)

 (排気風速、モーターベアリングコンディション、制御盤内電流・絶縁抵抗チェック等)

 

その他、塗装ブースによって、様々な不具合が生じるもので、紹介しきれません。

事象によってご相談、対応させていただきますので、お気軽にお問合せください。